203 再び病院へ・・・

203 再び病院へ・・・


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(二日目 AM11:40 東の森)

―――突然の殺気
俺は仁村さんを突き飛ばして、急いで殺気の元へと向かう。
神速!そこにいた男は銃弾を二発発射した。
とっさに小太刀を振る。二発の銃弾をはじいた感触。
俺は土煙を上げながら動きを止める。
男は既にバズーカを肩に担いでいた。
俺は身構える。しかし、男は仁村さんに狙いをつけた。
仁村さん!!俺は舌打ちをしながら、再び神速で発射された弾丸を追う!
今度こそ…今度こそ!頭で考える余裕は無かった。
気づいた時には、俺は弾丸に追いつきバズーカの弾丸の外殻を
切り裂き、中の信管を切断していた。
「敵に背を…………」
男の嘲る様な声が聞こえた。
銃声が響く。俺は神速で避けようとする。右わき腹が切られたような激痛。
避けそこなったか…弾丸は右わき腹をかすめたようだ…俺は倒れこむ。
痛みで意識が朦朧とする。血が流れているのが解る。
銃声が三度響く。神…速!
奥義の発動と同時に、銃弾を二発はじく感触。そして腹に激痛を感じて
俺は意識を失ってしまった。





(二日目 PM0:19 東の森の小屋)

東の森の西部に位置する、木造の一階建ての小屋の中で今、
魔窟堂ら3人が恭也を治療するための準備に追われていた。
「まひる殿はピンセットとタオルを準備するのじゃ」
「うん!」
「私は手術に使える道具を用意します」
と自分の手持ちのデイバック二つから道具を取り出して紗霧が言った。
まひるは小屋の中を物色し、魔窟堂は手術の準備を進める。
紗霧は瓶から粉末状の物体と甘い臭いのする液体をタオルにしみこませる。
被弾した弾丸摘出の準備が9割がた進んだとき、恭也は目を覚ました。
「ぐぅ、こ、ここは?仁村さ・・んは?」
「おお!恭也殿!」
「はあ、はあ、魔窟堂さん…?お、俺は、仁村さんは?」
「ち、知佳殿は無事じゃよ……」
「・・・・・・・。そうです…か…彼女は、あの男はどこに?」
「男?高町さんを撃った人ですか?」
と、水とメスとピンセットが入った洗面器を持った紗霧が言う。
魔窟堂が何か言いたげに紗霧を見る。
「あ、ああ…」
「男は何者かの手によって殺害されていたみたいです」
「なに?じゃあ仁村さんは、仁村さんはどこに?」
「ここにはいません。放送で名前が呼ばれませんでしたから生きているのは
まず間違いないでしょう」
「お、俺は……」
立ち上がろうとする恭也。
「ああああああ!きょ、恭也さん!立ち上がっちゃダメだよ!」
と、恭也に駆け寄るまひる。
「離してくれ…広場さん…俺は守らないと・・・・!」
「こんなんで知佳ちゃんをどうやって守るの……」


「・・・・・」
「ぼろぼろで……こんな疲れきった顔で……知佳ちゃんに会っても…
きっと知佳ちゃん笑ってくれないよ…」と、半泣き顔で訴えるまひる。
「そうですよ。仮に会えたとして、目の前で果てられては迷惑ってものです」
と、容赦ない口調で言い放つ紗霧。
「うっ……くっ…」
2人の問いかけに恭也は押し黙ってしまう。
「お、俺は……何も…できないのか……!」
そんな恭也に魔窟堂も話し掛ける。
「弾丸を摘出しないことにはどうにもならんじゃろう」
「その後で、傷口を塞いで、静養ですね」と紗霧が言う。
「し、しかしこうしてる間にも、仁村さんは……」
重い空気が流れる中、まひるは口を開いた。
「あのさ、恭也さん……」
「広場さん…?」
「恭也さんは、知佳ちゃんの笑顔が見たいんでしょ?」
「えっ……!?」
「だからさ、恭也さんが死んじゃったら恭也さん、もう知佳ちゃんの笑顔
見れなくなるよ。知佳ちゃんを信じて傷を直した方がいいよ。ねっ!」
「仁村さんを信じる……………」
「そうだよ」
まひるに笑顔で問い掛けられて、考え込む恭也。そして…
「そうか………解った……」身体の力を抜いて、落ち着いた声で恭也は答える。
「魔窟堂さん、弾丸の摘出と傷の治療をお願いします」
「うむ」
口元にわずかに笑みを浮かべた恭也。
安堵した空気が小屋の中に流れる。少しして紗霧は口を開く。
「麻酔はどうしますか?」と。



「ぐっ、ああああああぁぁぁぁ………」小屋の中に恭也の苦痛の悲鳴が響く。
タオルを頭と口元に巻いて、ピンクのエプロンを装着した魔窟堂はピンセットで
弾丸をつまんでいる。先ほど恭也の腹部から弾丸を摘出したのである。
「きょ、恭也さん、本当に麻酔なしで良かったの?」
荒い息を吐いて横たわる恭也と、摘出された血の色の弾丸を交互に見ながら
不安そうにまひるは言った。
「はっ、はっ、は、広場さん…これくらいは…」
「本当に痛いのはこれからです」いつも通りの口調で紗霧は言った。
「ああ………」表情を引き締めて恭也は答える。
「やはり、やるのか紗霧殿……」
「ええ、縫合では出血は止まらないでしょう」
紗霧はちゃぶ台に置いてあるビンの一つの蓋を開け始める。
粉末状の火薬。これは昨日、回収した物。
「はあ…はあ…はあ……」
「麻酔なしは、やばいと思うんだけどな…あたし」
「効き始めるのに時間がかかりますし、覚悟も決めれないでしょう」
「そう…だな…」
恭也は身体中、古傷だらけである。主に修行中についたものだ。
それゆえに恭也自身、修行中に獣によって傷を負わされた際には
火を使って滅菌した事がある。尤も、ここまで深手を負ったことは無いのだが。
「さあ、やってくれ!」
恭也が覚悟を決めた時、紗霧は思い出したように遮る。
「その前に、これからの恭也さんのことで皆さんにお話があります」
「「「え?」」」
3人の声が同時に出た。
「手短にすみます。まず、病院で―――――」


紗霧の話が終わった頃、どこか気まずい空気が流れていた。
「こ、こんなこと…!」
怒りをわずかに含んだ声色で恭也は呟く。
「だからこそ、意識を失う前に貴方の意思を確認したいのです」
「・・・・・・・・・・・」
考え込む恭也。少ししてから
「俺が再び意識を取り戻した時に、俺が決めます」
「じゃあ、気絶中での使用は拒否するんですね」
「ええ……」
「解りました。早く始めましょう」
「うむ!」
魔窟堂は答えると、恭也の腹部の2つの銃創に火薬を振りかけ始める。
小屋で回収したマッチ棒を取り出す。そして……
「待ってくれ!!」
慌てたように声を張り上げる恭也。
「?」
「何かを忘れている…………そうだ!タオルを口に詰めるのを
忘れていたんだ」
「「「あ…」」」3人の声が同時に揃った。




(二日目 PM1:03 東の森の小屋 )

恭也の治療があらかた終わって十数分後。
傷口を焼いた後、ショックで気絶した恭也以外の3人は
居間で座って湯飲みで水をすすっていた。
「これでとりあえず出血は止まりましたね」
「うむ」
「ところで魔窟堂さん」
「何かな?」
「医者だったんですか?」
「いや……」
「へっ?」ビックリしたように声を上げるまひる。
「でも医師免許は持ってたんでしょう?」
「・・・・・・・・・・・」突然、黙り込む魔窟堂。
「あ、あのー」とまた、まひる。
「さ、紗霧殿、火薬で傷口を焼くなんて良くとっさに思いついた!」
「まあ、理工学は得意ですから」
「書物で得た知識かな?」
「ええ」
「漫画かの?」
「えぇ。!。・・・・・・・・・・・・・・」紗霧も答えたが、突然黙り込む。
黙っている2人をキョロキョロと交互に何度も見るまひる。
そして、まひるは気絶している恭也を見る。
少し苦しそうな顔をしているが、大丈夫そうだ。
当然、焼いた傷痕の上に更に処置をして、包帯を巻いている。のだが…
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
一分経っても、黙ったままの2人を前に、まひるはただ
「あのーもしもし?あんた達って…?」と呟いたのだった。


紗霧は傍らに置いていたデイバックを開けて、突然2人に語りかけた。
「魔窟堂さん、まひるさん。これを見てほしいのですが」
「ぬ、これは?」
魔窟堂とまひるが見たのは、壊れた箱のような物と、壊れたリモコンの様な物、
2つの指輪と、紗霧の所持品である対人レーダーであった。
「あの場所で死んでいた男が持っていたデイバックの中に入ってました」
「うーむ…。!…こ、これは他爆装置ではないか!」
「え?この指輪を何か知ってるのですか?」
「ああ…わし等の死んでいった仲間、神楽殿の支給品じゃよ……」
両目から涙を流して魔窟堂は答える。
「……何かに使えないでしょうか?」
「これは使ってはならん…神楽殿の…遺志は…」
なおも号泣する、魔窟堂を尻目に、紗霧は考えた。
(スイッチらしき物は壊れてしまってるようですし、
指輪だけでも活用させてもらいますか)
「この壊れた箱は、ラジオみたいじゃな」
「ラジオですか?」
(首輪の盗聴器だったのかもしれませんね)

「もう一つは……まひる殿?何をしておるんじゃ?」
魔窟堂と一緒に、紗霧も振り向く。
「あ、気にしないで下さい。ちょっと食べ物の匂いがしたんです」
とタンスの中を探しているまひる。
「「食べ物?」」
「はい。………。見つけた!」
と、まひるはせんべいが多く入っているビニール袋を見つけた。
「よく分かったの…」
「毒じゃないんですか?」
まひるはビニールの中のせんべいを見て、臭いを嗅ぐしぐさを
すると「大丈夫だよ」と答えた。そして自分が座っていた場所に戻る。
「・・・・・・・・・・・。話を続けましょうか?」
「うむ。これは何かのレーダーの様じゃが、使えるかな?」
紗霧に目配せをしてから、スイッチを入れる。
レーダーのモニターには光点が4つ写った。
「これは?」光点は3つ移動している。
「ま、まさか!対人レーダー!?」魔窟堂が驚愕の声をあげる。
「・・・・・・・。え?でも変じゃないですか。あたし達と同じ人数ですよ」
「そうですよ。私達が一塊になって1人分と考えても3人少ないですよ」
「うーーむ……。ん……?おおおおおっっ!!」
「うわわーー!」「うきゃあっ!」と突然大声を出した魔窟堂に
驚く紗霧とまひる。
「お、お、思い出したぁぁーーー!!!!わ、わしはなんという…!」
「魔窟堂さん。ど、どうかしたのかっ!」と、まひるが答える。
「な、な、何か解ったんですか?」と、少しびびっている紗霧が質問する。
「すっかり忘れておったあぁぁぁぁぁぁ!!首輪解除装置の事を!!」
「「えーーーーーーーーーーー!?」」



「つまり……首輪解除装置が出来上がったと考えて問題ないんですね?」
「う、うむ」と、しょげてしまった魔窟堂をはっきりと問いただす紗霧。
「でも、それを開発したグレン・コリンズさんは数時間ほど前に死亡したと?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「あ、あのさ、紗霧さん?」
「何でしょう、まひるさん?」とジト眼で返答する。
「これで、あたし達を撃った男の人が、何であたし達の居場所を知ったのか
分かったからさ」
「この件はもう関係ありません」
「そうですね…ハイ」
「これから、私達はこのボケ老人の処遇を…」
「そんな事してる場合じゃないでしょ!紗霧さん!」
「そうですね…。それはこの島を脱出してからの宿題としましょう…」
(こ、これでいいんでしょーか?)と、心で慌てるまひる。
紗霧は突然、紙切れを数枚取り出すと、この小屋で回収したボールペンで
文章を書き始めた。
「「?」」不思議そうに見る、まひると魔窟堂。
紗霧は紙切れの一枚を2人に見せる。そこにはこう書いてあった。
〔多分、首輪は集音マイクで運営者に盗聴されています。お2人とも
私の書く文章には決して言葉では反応しないで下さい〕
2人はしばし驚いた後、顔を見合わせてうなずくと、魔窟堂は紙とペンを持って、
まひるはせんべいを口に運んだ。
「・・・・・・・」
まひるの反応に紗霧は、わずかに眉をゆがめるが、構わず文章を書いて見せ始めた。
〔まずは、私達以外で、貴方達がこの島で出会って、生きている可能性のある
参加者の名前と特徴を教えて下さい〕
〔参加者に支給された武器を知りうる限り教えて下さい〕
〔魔窟堂さんは・・・・・・・・・・の薬品を病院で探して下さい〕
と3つ書かれていたのだった。
魔窟堂とまひるは知りうる限りの情報を紗霧に伝え。
紗霧も大体は伝えた。



(二日目 PM1:21 東の森の小屋)

「さて、そろそろ動くかの」
「そうですね、高町さんはどうやって運びましょうか」
「うむ、わしが背負うしかあるまい」
「ねー、魔窟堂さん」
「なんじゃ、まひる殿?」
「恭也さんはあたしが運ぶよ」
「え?まひるさんが?」
「うん」
「しかし、まひる殿の体格では……」
そう心配そうに言う魔窟堂をよそに、恭也の元に駆け寄り。
左手で彼の脚を、右手で彼の首に近い位置の背を掴んで、軽々と持ち上げた。
「「おおっ!!」」思わず感嘆の声をあげる2人。
「さ、行こう!」と笑顔で恭也を運んでドアに向かうまひる。
「これは…」
「お姫さま抱っこですね」
「うむ…いいシーンじゃが、どこかアンバランスじゃのう」
「カメラ持ってれば良かったですね」
ドアに前でまひるは立ち止まった。
「「?」」
彼は困った顔で「あのー、ドア開けてほしいんですけど」と言ったのだった。





(二日目 PM1:30 病院付近)

紗霧は思索する。
(まひるさん。高町さんを運んでいて、まったく歩くスピードが
落ちてませんね。私と同じくらいの身長なのに少し意外です)
(この島で生き残ってるんですから、何かあるとは思いましたけどね)
(そうでなくては、彼女の性格で生き残れるはずないですから)
(黄色いキャップを被った、紫の長髪の少女、朽木双葉)
(私も出会った、黒髪、ショートカットの少女、アイン)
(私達以外で名前が解っているのはこの2人)
(他の3人は不明ですね。対人レーダーを駆使して、魔窟堂さんに
調査してもらう事にしましょうか?レーダーのバッテリーは少ないですけど)
(まずはレーダーで感知できる参加者を魔窟堂さんに説得させて尚、
敵対的行動を取る者、又は怪しい者には、お2人に取り押さえてもらって
アルコール入りの注射でもしておきましょう。当然、武器は取り上げます)
(首輪解除装置も手に入らなくなったと決まったわけではないですし)
(まひるさんは勘が良いので、レーダーが利かない人に対して効果が
あるでしょう。うまく行けばモノも手に入りますしね…)
(あの虎の男に匹敵する実力者を仲間に加えられれば言う事無いのですが…)
(・・・・・・・。少し眠いです…)
(まひるさん、何の話、してるんでしょう?)


「えっ?昨日の病院には輸血パックがもっとあったんですか?」
「ああ……わし達の仲間が輸血しておった頃には数人分あったはずじゃ」
「その人の輸血が終わったその時にはまだあったんですね?」
「そのはずじゃったが、今日の深夜3時ごろには大半が紛失しておった」
「怪我した人が使ったんでしょうか?」
「わからん。じゃが、恭也殿の輸血は見込めないじゃろう」
「うーん…。おっ、紗霧さん、どうしたの?」
「・・・・・・・・・・・・・・。え、どうかしましたかまひるさん」
「何か、疲れてるみたいだけど…大丈夫」
「・・・・・・。しんぱいありませんよ」
(ひらがなだし。疲れているんだろな。あ、そうだ!)
まひるは恭也を地面に下ろすと、翼を動かし始めた。
「まひる殿、何を?」
「ちょっと、試したい事があってさ」
彼の翼は小刻みに、蜂の羽のように震え始める。
周囲の空気も震え始める。金属がきしむような音が周囲に響く。
「ま、まひる殿、これは!」
「んーー……」
まひるは翼の振動を止めた。魔窟堂が声をかける前にまひるは言った。
「まだ、勘が戻ってないや…」
「勘とはさっきのがか?」
「うん…空気をね…」
「く……おっと。つまりはそういうわけじゃな」と紗霧の方を見る魔窟堂。
うなずくまひる。彼の鼻が震えていた空気が運んだ匂いをキャッチする。
(この匂い?生きてる人じゃない。死臭!?)
「魔窟堂さん、病院の近くに誰かが死んでます!」
「なんじゃとう」
「え…そうですか…」3人は向かう、紫堂神楽と神条真人と亡骸がある場所に…



「な、なんという……」
死体を見る覚悟はできていた。見つければ弔ってやりたいと思っていた。
しかし、目の前に突きつけられた事実は残酷だった。
「酷いですね…」と紗霧は死臭に顔をそむける。
神楽だったモノは頭の上部に空洞が開いており、その空洞に虫が群がっている
ありさまだった。
もう一つの死体で神条真人だったモノも、憎悪に満ちた表情を浮かべたまま
眼球を鳥についばまれていた。
「「・・・・・・・・」」
真人に対して多少なりとも関わりのあったまひると紗霧も何も言わなかった。
(弔ってやりたいけど…)と、自分が抱えている恭也を見るまひる。
「こんな、こんなことが!神楽殿!わしは傷を治してもらった
礼すらできないまま!」
(傷を治す?・・・・・・・・。どうにも思考がまとまりません)
「お医者さんだったんですか?」と、まひるが問う。
「いや正真正銘の巫女さんじゃった。本当に良い子で回復魔法も使えたのじゃ」
「そ、そうだったのか……」
(かいふくまほう、ありえない話ではないですね。策をねらないと…)
「魔窟堂さん、この人のポケットから何かが」
「ぬ、これは!」神楽の着たパジャマのポケットに入っていたのは
エーリヒの愛用していた軍用オイルライターだった。
「・・・・・・・・」しばし考え込む魔窟堂。そして、彼はライターを拾う。
「神楽殿、 近い内に必ず弔ってやるからな……」
その傍らで紗霧は真人のパーティーガバメントを拾っていた。
(なにかの役にたつかもしれませんから……ね)
「さ、急ぐぞ」
「うん!」3人は病院の中へ入っていった。





(二日目 PM2:00 病院内)

魔窟堂は紗霧が依頼したとおりに薬品を探して、恭也に渡した。
その後、窓から周囲を見回している。
紗霧は疲れて患者用ベッドにうつぶせになって寝ている。
まひるは紗霧の寝ている部屋で、そこに置いてあった斧を一瞥した後で
魔窟堂から借りたMDプレイヤーを聞こうとしている。
そして…恭也はカーテンで遮られたベッドで目覚めていた。
彼は手にした薬の瓶を見つめながら苦悩を
顔ににじませ、葛藤しているのだった。



【広場まひる】
【所持品:斧、MDプレイヤー、せんべいがたくさん入った袋】
【現在地:病院内】
【スタンス:争いを避ける】
【備考:怪力、超嗅覚、鋭敏感覚、片翼、衝撃波(練習中)使用】

【月夜御名紗霧】
【所持品:レーダー他、多数?】
【現在地:病院内】
【スタンス:反抗者を増やし主催者へぶつける。 モノの確保】
【備考:各地で得た道具を複数所持、パーティーガバメント入手
 疲労により現在、睡眠中】


【魔窟堂野武彦】
【現在地:病院】
【スタンス:主催者打倒】
【所持品:レーザーガン、軍用オイルライター】


【高町恭也】
【所持品:小太刀、救急セット、麻薬らしきモノが入った瓶】
【現在地:病院】
【スタンス:主催者打倒】
【備考:大量失血で疲労:中、右わき腹から中央まで裂傷あり】




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