170 バンカラ夜叉姫〜胎動変〜
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(第二日目 AM5:30)
後ろから静々とついてくる黒髪の少女を見て、遺作は笑いが止まらなかった。
「遺作お兄さん?」
山道の途中、沙霧の呼びかけに遺作は立ち止まった。
「及ばずながら、わたくし月夜御名沙霧は、勝利のために力を尽くしたいと存じます。」
そう言って、月夜御名沙霧は笑った。
(所詮は女、ぶち込んじまえばこっちのもんよぉ)
遺作も不敵に笑った。
それより少し前のこと、束の間の眠りから目覚めた遺作は
あれだけ放出したあとにもかかわらず、股間に立派なテントを張っていた。
「よっこっらせっとぉ・・・」
年寄りくさい独り言をこぼしながら、隣で仰向けに倒れたままの沙霧の膝を割って細い腰をがっちりと掴んだ。
無言で怒張の先端をがびがびになっている沙霧の花弁にあてがう。
「ン・・・あぁ・・・」
かすれた声でやっとそれだけ言うと、沙霧は空ろな目で遺作のほうを見た。
「声もでねぇほど嬉しいのか?」
ズッ
いろんな体液の乾ききっていない性器の表面の襞を擦りあげるようにして、一息に奥まで貫く。
それだけで黄ばんだ精液が膣内から溢れ出してくる。
「あっ・・・つぅ・・・ぃ・・・」
しばらく挿入の余韻を楽しんだ後、遺作はむしゃぶりつくように狭霧の汗ばんだ首筋に舌を這わせた。
結合部から溢れ出る精液を潤滑油代わりに、遺作はゆっくりと腰を動かす。
「へっ、よくしまるじゃぁねぇか。これだから若い女はやめられねぇ」
「うん・・・あ・・・うぅん・・・あん・・・・・・あっあ」
突き上げるたびに聞こえてくる少女のあげる甘い声、
プルプルとやわらかく揺れる乳房とそのうえで固く身を結んだ乳首。
快感に激しくわななく沙霧の腹。
「いやよ、いやよもぉっ、好きのうちっ、てなぁ」
言いながら、まろやかな乳に手を這わせ、触れるか触れないかの微妙なタッチで撫でまわしたあと、
屹立した乳首をきゅっと引っ張る。
「やぁ・・・い、たい・・・ひっぱら・・・んぅ・・・ない、でぇ」
抗う声も、下腹部からじんわりと広がってくる絶え間ない快楽に飲まれて言葉にならない。
「どうだ、気持ちいいか、ん?」
返事を待たずゆっくりと腰を引くと、それに合わせて泡立った二人の体液に塗れた遺作の一物が姿をあらわす。
沙霧は瞬きもしないでそれをじっと見つめていた。
「っ・・・」
それを意識した瞬間、禍福から伝わる快感が爆発した。
「いや、いや・・・あっ、あぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁん」
沙霧は切羽詰った声をあげると、激しくかぶりを振って遺作から逃れようとする。
腹の下で悶える沙霧の表情がとろけるようなものに変わったのを見て取った遺作はすぐさま
ブチャッ、ブチャッという音を立てながら、リズミカルに腰使いに切りかえる。
「どーなってるのか言ってみな?」
「・・・遺作おにーさんの・・・が、狭霧の中をっ・・・んぁっ、かき回して・・・います・・・」
「かき回して、どーなってる?」
「遺作おにーさんのザーメンと狭霧のお汁が混じったのが、おにーさんのにまとわりついて・・・んん・・・」
「気持ちいいのかぁ、ん?」
答えはなかった。
ただ情欲に潤んだ声で許しを乞うように見返してくる。
「気持ちいいのか、と聞いてんだ」
「気持ち・・・いい・・・です」
一瞬の逡巡のあと、答えた沙霧は自ら快をむさぼるように腰を蠢かせた。
「気持ちいいですからぁ・・・んん・・・ハァ・・・もっと・・・もっとぉ
沙霧を・・・沙霧をめちゃくちゃにして・・・・・・くださいっ」
沙霧の絶叫に「へっ」と鼻を鳴らすと、遺作はクリトリスを摘み上げラストスパートに入った。
「やだ、やだ、やだ・・・なんか、なんかっくるぅ・・・・・・あっあっあっあっあっあっ」
微妙なビブラートをかけて喘ぐ沙霧の乳首を口中で転がしながら、遺作はひたすらに肉筒を擦りつけつづける。
「イク、イク、イっちゃうっ」
「おおぅ」
遺作は短くうめくと、顎を突き出し、ゆっくりと射精した。
「あ・・・、中・・・でてるぅ」
ぐったりと体を弛緩させた沙霧の意識はゆっくりと闇に飲まれていった。
(って、そんなわけがありますか。こんな状況で寝るようなスットコドッコイといっしょにされては困ります)
ふたたび眠ってしまった遺作を尻目に、身だしなみを整えた沙霧はひとしきり考えをめぐらせた。
(それにしても・・・イク、イク、イっちゃうっ、は少し臭かったかもしれませんね、修正しなくては。
まったく、馬鹿の相手はこれだからいやなんです)
「遺作お兄さん?」
胸中に渦まく悪意をおくびにも出さず沙霧は眠る遺作に呼びかけるが、起きる様子はまったくない。
「あんまり寝すぎると少ない脳ミソが腐りますよ?
と、言ってもすでに腐っているのかもしれませんが」
凌辱者が寝ているのをいいことに、沙霧は小声でボソッと小粋な毒を吐く。
「・・・あくまで起きないつもりなのですね?いいでしょう、それならばこちらにも・・・」
「こちらにも・・・・・・何だ?」
沙霧の毒スイッチがオンになり、これからあらん限りの罵詈雑言をたたきつけようと思った矢先、
遺作が体を起こした。
頭を掻きながら大きなあくびをすると並びの悪い歯が除く。
遺作はひとしきりコキコキと肩を鳴らすと、
不気味に光を放つ目をどんよりと澱みながらも沙霧の方をねめつけてきた。
「こちらにも何だ、と聞いてるんだ」
機嫌が悪いの悟らせるに十分な低い声。不快なだみ声。
「こちらにも敵がやってくる、そう申し上げようと思ったところです。
御覧ください、遺作お兄さん。こちらに向かってくる光があるでしょう?」
沙霧は何食わぬ顔で飄々と交わして、スッと対人レーダーを差し出す。
用意周到な彼女にぬかりのあろうはずがなく、あったとしても咄嗟の機転を利かせて切り抜けることが出来る。
そうすることで、彼女は表に立つことなく富嶽学園を実質的に支配してきた。
裏で糸引く黒幕やフィクサーのようなスタンスを彼女は好んだ。
(矢面に立つのはいつの時代も阿呆の役目。
容易く御されるあなたにはせいぜい踊っていただきますよ?)
「で、この光がどうしたんだ?」
逆光のため薄く笑った沙霧の顔が見えなかったのか、遺作は彼女の底意に気づかなかったようだ。
一瞬浮かんだ狭霧への不信の念も影を潜め、
ただ、差し出された薄い液晶モニターにうつる光点を指差し怪訝な顔を沙霧に向けている。
「この光はこの装置の近くにゲーム参加者がいるかどうかを示しています。
ほら、ここに私と遺作お兄さんの光が寄り添うように光っていますでしょう?
そして、もう一つ誰かは分かりませんがここに近づいてくるものがいます」
「へっ、誰が来ようが俺様の敵じゃぁねぇ。
なんてったって、今の遺作様は【 ざ ・ ぱ わ ー ど ・遺作さん】なんだからな」
「でも、遺作お兄さん。あなたはこのゲームに勝利なさるお方。
無用の危険は避けるのも王者の知恵かと存じます・・・・・・僭越ながら、この月夜御名沙霧に一つ妙案が」
(パワードだかコワードだか知りませんがこれだから、血の気の多い方はいやなんです)
「フ、ン。言ってみろ」
美少女が己の身を案じて献策してくるのが嬉しいのか、遺作は上機嫌で続きを促した。
「はい」
手際よく制服の内ポケットから地図を取り出す。
「ここには民家群があります。ここにいけばまだ何か役立つものがあるかもしれません」
「遺作お兄さん?」
山道の途中、沙霧の呼びかけに遺作は立ち止まった。
「及ばずながら、わたくし月夜御名沙霧は、勝利のために力を尽くしたいと存じます。」
この言葉に満足げに破願した遺作を見て沙霧は、薄く笑った。
(もちろん、私自身の勝利のために、です。そこんとこ、お分かりになってますか?)