130 The-O
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ザドゥの消えた後の空間−
「さてと・・・・プランナー」
ルドラサウムは自身の忠臣を呼び出す。
それが現れたのは、ルドラサウムの呼び声とほぼ同時。
「主よ・・・お呼びでしょうか?」
その姿はルドラサウムより異形。丸い身体に指のような腕が6本生えている。
ただ、その瞳はルドラサウムと同様に無垢な紅い瞳をしていた。
「ボクのしたいことわかるよね?君にはその舞台の設定を任せるよ。ステージは用意したからさ。」
「はっ、よろしいので?」
「ボク自身が一から十まで考えたら、ドキドキ感が味わえないからね。
後は君が、ボクがたのし〜〜〜く感じるような設定を考えてよ。」
「御意」
即答。ルドラサウムの命は絶対の言葉。
否、プランナーにルドラサウムに逆うという思考自体が無い。
「うんうん・・・君はハーモニットやローベンバーン・・・他の三超神の二人より、こういうことが得意だからね。期待してるよ」
「主よ。いくつか質問をするご無礼をお許しください」
「なにかな〜?」
「強者といえどもザドゥは人間、表立った監督者には魔人あたりを置くべきでは?」
「でも、魔人なんかおいたら監督する側が苦労しないからつまらないなぁ」
ザドゥを選んだ理由はとどのつまりそういうことであった。立場が違えどゲームに関わる全ての人間が苦しまなければ、ルドラサウムにとっては面白くないのだ。自身の存在を隠すだけなら、プランナーの進言通りに魔人でもおけばよい。
「なにか対策練ります」
プランナーの役目はルドラサウムを楽しませることだ。
無理があろうとも、ルドラサウムを楽しませるためなら何があってもそれを実行しなければならない。プランナーの答えは常にYESである。
「任せるけど、よく考えてね。絶対に逆らえないようにしたらザドゥ君を選んだ意味が無いんだから」
「御意」
「ま、ザドゥ君があっさり負けちゃうようだったら、次からは魔人でも置けばいいじゃない。」
次があると、ルドラサウムはさらりととんでもない発言する。
だが、プランナーの答えは常にYESである。主の命に疑問を持つことは無い。
「御意・・・もう一つ質問がございます。我が主」
「はいはい。なんでしょ?」
「ザドゥを含めた終了後の生存者の始末はいかが致しますか?」
「う〜ん・・・面倒だから舞台の島・・・あ、これは適当な世界から持ってきたんだけどね。
それごとふっ飛ばしちゃおうかと思っていたけど・・・・いいや、君に任せるよ。設定から後始末まで君にぜ〜んぶ任せる。殺すなり、元の世界に戻すなりスキにして良いよ。
どうせ、君のことだからアフターサービスもばっちりなんだろうからね。キャハハハハハハ」
ルドラサウムの答えにプランナーはニヤリと笑う。その笑みはルドラサウム同様のもの。
蟻を捕まえて、これから行う処刑を想像して笑う子供ように残虐で純粋な微笑。
「では、早速準備にかかります。」
「うん、早くしてね〜」
プランナーは一礼するとその姿を消す。
恐らく、その頭の中にはすでに様々なアイデアが浮かんでいるのだろう。
「うん、ほんと楽しみにしてるよ・・・キャハッ、キャハハハハ・・・・キャハハハハハハハハハハハハハ・・・・・・・・・」
深い闇の中でルドラサウムの笑いがいつまでも木霊し続けるのであった。