287 戦慄のパンツバトル! 〜ランス〜
287 戦慄のパンツバトル! 〜ランス〜
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(ルートC:2日目 18:50 D−6 西の森外れ・小屋3)
ランスには、判っていた。
最初に智機の乳首を探り当てたときから、確信していた。
(むふふ…… このロボ娘ちゃん、淫乱の素質があるぞ!)
そんな智機を開花させたいと、ランスは燃えた。
本気になったこの男の絶技は、口で言うだけのことはあった。
撫でた。
揉んだ。
擽った。
掴んだ。
転がした。
摘んだ。
押し込んだ。
引っ張った。
怒涛の如く責めたと思いきや、細波の如く繊細に慰める。
変幻自在。千変万化。
「じっ…… じゆ、ううっ♪ はぁはぁ、じっ、ゆぅぅうっ!
をおおっ、あっ! あっあっあーーー、与え、てっ、てぇぇ……
ひぃふう、ひいふぅ…… 欲しい、欲しいのぉぉぉぉっ!!」
しかも恐ろしいことに。
ランスはまだ胸しか愛撫していないのだ。
指でしか愛撫していないのだ。
しかも恐ろしいことに。
ランスはまだ胸しか愛撫していないのだ。
指でしか愛撫していないのだ。
「がはははは! どうだ智機ちゃん、俺様のゴールドフィンガーは?」
ランスが伸ばした手は智機の白衣と制服をたくし上げ、
直に彼女の胸へと伸びている。
P−3はランスの問いに答えを返しはしなかった。
しかし、体温が、表情が、吐息が、跳ねる体が、
その指使いは絶品であると返答していた。
ランスは己の猛る一物におあずけを食らわせてまで女体いじりに専念している。
ひたすら智機を感じさせ、その反応を楽しむために。
そして、もう一つの目的のために。
(このツンツン澄まして俺様の魅力をイマイチ理解しない紗霧ちゃんに
冴え渡るエロテクを見せ付けて、いやらしい気分にしてやるのだ!!)
基本鉄面皮で、稀に空恐ろしい歪んだ笑顔。
それだけの表情しか見せない月夜御名紗霧のエッチな顔が見てみたい。
あわよくば紗霧にもエッチなアレをしてみたい。
いかにもランスらしい助平根性が、彼を執拗な愛撫へと駆り立てている。
しかし、紗霧のガードは固かった。
時折ランスは紗霧をチラ見しているのだが、彼女は常に無関心な顔をしており、
目が合おうものなら早く終われとせっつかれてばかりであった。
(紗霧ちゃんは、まだはぁはぁしてないのかな〜?)
何度目になるのか、ランスはまたしても目線を紗霧へと送る。
彼女が浮かべていたのは不満げな表情であった。
いつバットを持ち出してもおかしくない、不穏な空気をその身に纏っていた。
にも関わらず、ランスは紗霧を恐れなかった。
決してバットを振るわぬであろうと楽観していた。
ランスは何度もこのような場を経験しているが故に、敏感に察知している。
イケるのか、イケぬのか。
見逃されるのか、されぬのか。
そのランスの察知力を以ってしての現状分析は。
―――明らかにイケている。
―――ゾーンに突入している。
ならば躊躇う必要はなく、手を緩める必要もない。
結果は、あとからついてくる。
「智機ちゃんはカワイイな!」
「戯言を…… 私が可愛いはずなんて、ない……」
社交辞令ではない。方便でも甘言でもない。
自分勝手で他者を省みない男ではあるが、
故にこそ、行為中の嘘や衒いは存在しない。
女性の魅力を褒めるときは、全力で本気で褒めている。
「そうでもないぞ? 俺様、感じやすい子は大好きだからな!」
「ウソ…… だっ!」
ゴトリ。
音を立てて剥離されたのは亡霊紳一が貞操帯と称した下腹部の保護パーツ。
同時に立ち上るは封印を説かれた女陰から濃厚に滲む淫臭。
それがランスの顔を愉快気に歪ませた。
「ランス、いつまで乳揉みをしているつもりですか?
もう十分堪能したでしょうに」
「うむ、紗霧ちゃんの言うとおりだ。
智機ちゃんのおっぱい周辺には危ないものがなかったからな」
さも残念そうに、ランスは溜息をついた。
演技である。
続く言葉と行為への布石である。
それを言わせて、こう返したかったので、
ランスはこれまで胸しか弄っていなかったのである。
「ではそろそろ本命の隠し場所をチェックしよう!」
唖然とする紗霧を尻目に素早く卓の下に潜り込んだランスだが、
言葉とは裏腹に、智機の陰部に背を向けていた。
紗霧の腰周りを素早く観察していた。
(うーーん、流石は紗霧ちゃん。 ガードが固いぞ……)
紗霧の膝は閉じていた。
もじもじと膝をすり合わせる動きもなく、
太腿の血色も良くなかった。
発情の色はどこにも見られなかった。
(ふむ、この作戦では紗霧ちゃんはえっちい気分にならないのか……
じゃあ仕方ない。
じっくりとたっぷりとねっちょりと、智機ちゃんを弄繰り回すぞ!)
頭を切り替えたランスがP−3の股間に向き直る。
だらしなく開かれている両腿の付け根に、
愛液で張り付いているシンプルな白いショーツへと、
ランスは指をぐいんぐいん動かしながら近づける。
「No!! 下着はダメだ!!」
「おやぁ? 何故ぱんつを隠すんだ智機ちゃん?
まさか本当にアソコに凶器を隠しちゃいないだろうなぁ?」
欠けた四肢をばたばたとさせて抵抗する智機に対し、
ランスは不意にキメ顔で、宣言した。
「パンツ遊び☆リターンズ」
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ランスには数々の不名誉な二つ名がある。
曰く、鬼畜王。
曰く、カスタムの種馬。
曰く、歩く下半身。
そのうちのひとつに、こんなものがある。
『パンツ遊びの祖』
パンツ遊び―――
下着を弄びその様子を口に出すことで女性の羞恥を煽るという、前戯の一種である。
女性は一方的に愛撫を受けるのみ。
立った姿勢で、後ろ手に組むのが作法とされている。
リーザス通鑑に曰く。
発祥元は、彼が王宮に構えるハーレムである。
愛する主君の命で泣く泣くリーザス王のハーレムに入った少女に対して、
当代リーザス王・ランスは己の軽いサディズムを満足させるために、それを行った。
彼女は恥辱と快楽に打ち震えながら、王を罵った。
『それが、勇者のなさることですかッ……!』
対するランスの回答はこうであった。
『道は、俺様の後にできるのだ。こんなふうになっ……!』
一月後。道は開通していた。
知恵者の女官とイジメ大好きな妻の全面的な協力を得て、
莫大な個人資産をつぎ込み、大々的なキャンペーンを展開した成果であった。
パンツ遊びのハウツー本が巷に溢れ、恋人たちは新鮮で淫靡な遊戯に没頭した。
子供の間でスカート捲りの地位を奪い、思春期の少年は一人寝の夜に夢想した。
ゼスで、ヘルマンで、リーザスで。
よほど世情に疎いもので無い限り、誰もがパンツ遊びを知ることとなった。
残念ながら、そのことを知ったかの少女の反応は記録に残っていない。
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―――閑話休題。
事程左様に、ランスという男の、
エロくて下らないことを発想する能力は天才的だ。
行動力も他の追随を許さない。
エキスパートにして求道者である。
「はぁ、パンツ遊び……」
不満げを通り越した、疲れと呆れを滲ませた紗霧の呟きも、
もうランスには届かない。
「わははは、それそれ、ぐいぐい」
ぐしょ濡れショーツの上下を引っ張ってクリトリスを刺激するや否や、
智機の肌が、これまでにないざわめきを見せた。
ランスは敏感に察知した。
智機が間もなく絶頂を迎えようとしていることを。
それは普段の彼にとっては望ましく、また嬉しいことではあるのだが、
今の彼にとってはあってはならないことであった。
―――イけるイけないの境界線上を綱渡りする。
ランスは、そういう可愛がり方を本日のテーマに定めていた。
また、この女性型ロボットを屈服させるには、
そうするのが相応しい手段であると、直感もしていた。
「はぁうっっ…… きゅん、っ……」
故に、ランスは絶頂を許さなかった。
その寸前で良く動く指を止め、もはや閉じる力を失った両腿の間から
とろける智機の顔を意地悪気に眺めるばかりであった。
「私の負けだ。もうどうにでもするがいい……」
焦点の合わぬ虚ろな目で動きの止まったランスを見遣り、
智機はついに敗北を宣言する。
「よし。じゃあ好きにしよう」
言葉とは裏腹に、ランスは動かなかった。
いやらしい目でじっと智機の顔を見つめている。
見つめ続ける。
智機の瞳が潤みを増してゆく。
もどかしげに腰をくねらせ始める。
「だっ、だから好きにしろと……」
それでも、ランスは緑色の上下をすぽぽーんとは脱がなかった。
位置も姿勢も変えなかった。
智機の恍惚が緩やかに引いてゆくのを待った。
「だから好きにしているのだ。
俺様が今イチバンやりたいことは、おまたイジイジだからな!」
待って、絶頂から遠ざかったのを確認してから。
ランスは指を遠ざけた。
変わりに顔を近づけた。
尖らせた舌はショーツの隙間をぬって、
艶めく朱色の真珠へと一直線に伸びてゆく。
「いーんぐりもーーんぐりーーー」
「はきゅぅぅん♪」
心底楽しそうなランスのがはは笑いが、室内に響き渡る。
この瞬間、ランスはこの島の誰よりも輝いていた。
(Cルート)
【現在位置:西の小屋内】
【ランス(元02)】
【スタンス:@智機を心ゆくまで弄繰り回す
女の子優先でグループに協力、プランナーの事は隠し通す
男の運営者は殺す、運営者からアリス・秋穂殺しの犯人を訊き出す】
【所持品:なし】
【能力:武器がないのでランスアタック使用不可】
【備考:肋骨2本にヒビ(処置済み)・鎧破損】