A-04 153b 魔窟堂伸彦の世界
A−04 153b 魔窟堂伸彦の世界
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魔窟堂伸彦は 
自分のこの「加足装置」を見る時 
いつも思い出す。 
小学校教師 
  
「魔窟堂さん、お宅の伸彦君は友達をまったく作ろうとしません。 
そう、嫌われているというよりまったく人とうちとけないのです。 
  
担任教師としてとても心配です。」 
母 
「それが…恥ずかしいことですが… 
親である…わたしにも…なにが原因なのか…」 
  
子供の時から思っておった。 
町に住んでいるとそれはたくさんの人と出会う。 
しかし、 
  
普通の人たちは一生で真に気持ちのかよい合う人がいったい何人いるじゃろうか…? 
  
小学校のクラスの○○君のアドレス帳は友人の名前と電話番号でいっぱいじゃ。 
五〇〇人くらいはいるのじゃろうか? 
  
一〇〇人ぐらいじゃろうか? 
母には父がいる。 
父には母がいる。 
自分はちがう。 
  
TVに出ている人とか、ロックスターはきっと何万人といるんじゃろうな。 
自分はちがう。 
「自分にはきっと一生誰ひとりとしてあらわれないじゃろう。」 
  
「なぜなら、この『殺身成仁』を実行する友だちは誰もいないのじゃから… 
実行できない人間と真に気持ちがかよいあうはずがない。」 
  
アイン 神楽殿 ホッシー君 エーリヒ殿に出会うまでずっとそう思っておった。 
  
エーリヒ殿と涼宮殿のことを考えると背中に鳥肌が立つのはなぜじゃろう。 
それは目的が一致した初めての仲間だからじゃ。 
  
主催者を倒すという、この戦い! 
数時間の間じゃったが、気持ちがかよい合った仲間じゃったからだ。 
魔窟堂伸彦は「加足装置」を使いながら、考える。 
前途ある若人達が無為に死なずとも済むようにさせてやる。 
そう! 
  
主催者の正体をあばき、倒すため 
完璧に気配を消してやろう。
               【所持武器:レーザーガン、スパス12】 
  
               【スタンス:主催者打倒、アイン・双葉の探索】