A-02 144b 破戒〜荒らすもの〜
A−02 144b 破戒〜荒らすもの〜
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くっくっく・・。 
こんなことじゃ死ねねぇよなぁ 
くっくっく・・。 
正直に言いなよ・・な? 
  
本当は俺のこと好きなんだろ? 
さぁ、俺と一緒にまた楽しもうじゃないか 
お前は気づいてないだろうが・・ 
  
俺はお前で、お前は俺なんだぜ・・ 
第一日目 AM.3:30 
  
「ちくしょう、なんなんだあのブルマー女は」臭作が苦々しげにはき捨てる。 
先ほど出会った女は突然自慰行為を始めたかと思うと、 
  
彼と彼の兄弟をふっ飛ばしたのである。 
未知の恐怖に中てられた臭作は、無我夢中で森の中を逃げ回り、 
  
いつしか彼の弟達ともはぐれてしまっていた。 
「生き残れるのは一人だ。結局やつらとも殺し合うことになるんなら、 
  
もう少し利用したかったがな…」 
配給袋から水を取り出し,口元から水が零れ落ちるのもかまわずに一気に飲み干す。 
  
その時、臭作は遠くにかすかな足音を聞いた。 
「来やがったな」 
間断なく襲ってくる石つぶてを、身を伏せてやり過ごす。 
  
(!・・そんな) 
夜の闇に動揺が走った。しかし……。 
「うおっ」 
臭作は、胸から血を流して、倒れた。 
  
そして遅れることわずかに数秒、彼を一瞬のうちに葬った男が音もなく現れる。 
「この人・・まるで攻撃を予測していたみたい・・」 
  
臭作の命を絶ったのはただの石ころである。 
アズライトの放った七つの弾丸の一つが、命中したらしい。 
  
「悪く思わないで…なんて言えないよね…」 
アズライトは一瞬悲しげな表情を臭作のほうへ向け、再び闇にとけた。    
  
しばらくして。 
くっくっく・・。 
「とんだ甘ちゃんだぜアズやん」 
  
臭作はアズライトの気配が消えたことを確認して立ちあがる。 
その胸から、血まみれになったネズミの死体が出てくる。 
  
「伊頭家流死んだふりの術ってかぁ?」 
くっくっく・・。さぁ、俺と一緒にまた楽しもうじゃないか。
【伊頭 臭作】 
  
【現在地:小屋周辺】 
【スタンス:歴史の改竄】 
【備考:何度でも復活】